1990年代に初めてチェコを訪れた際に、マシュー・モンティスは過渡期にあるこの国で営まれている普通の生活を詳細に記録した。そこの空気や環境など、神聖な雰囲気の虜となり2001年に何度も訪れる。そして20年代、30年代のポストカードや写真から着想を得て、現代版の寓話を写そうと臨んだ。
モンティスの綿密に構成され、美しく撮られた作品群は人物や風景、都市の景観などを被写体とし、チェコの長く閉ざされた歴史を写しているものの、楽観的でユーモアに満ちている。単なるドキュメントではなく、鑑賞者が美しさと不安定が矛盾せずに混在した場所、人々に出会う経験をもたらすような作品となっている。
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