新しく近所に越してきた女性は、通りでもうひとりの女性と出会った。彼女たちは会話を始め、意気投合し、すぐに親しくなり、それぞれの人生の苦楽を共有した。お互い電話をかけあい、手紙を書き、プレゼントを贈り、ボーイフレンドについて意見交換をし、秘密を共有した。

これはごくありふれたストーリーにきこえるかもしれないが、Gabriele Gründlerはそれを新しくてユニークな方法で展開している。イギリスのアートカレッジに在籍していた頃、Gründlerはポートレイトをテーマに論文を書いたのだが、人の顔や身体を見せるというのは、その人のパーソナリティーを表現する適切な方法なのかどうかと疑問を持ち始める。そこで彼女は、ポートレイトの新しいアプローチを見いだすことにした。
本書Stars of Suburbiaで、彼女の一連の模索が実を結ぶこととなった。彼女はMrs HとMrs Gがお互いに交換した手紙やプレゼントを使って、2人の物語を展開してゆく。それによって、極めて個人的で濃密な2人の人生とお互いに対する認識とをつくりあげる。本書は平凡なふたりの女性の感動的で緊密なポートレイトであり、感受性の豊かさと友情の複雑さを讃える一方で、ポートレイトの限界と可能性に迫っている。
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