アートブックと記録写真集という2つの要素を併せ持つ本書は、huber.huberにとって初の本格的出版物である。 スイスの2人組のアーティストであるMarkusとReto Huberは、見る者をすばらしく豊かなイメージへと引き込み、名人芸的、すなわちアナログのコラージュテクニックを駆使して作品をつくりあげる。大作シリーズMIKROUNIVERSUM(2005-2011)からコラージュとインクドローイングのシリーズを選出し、”ガイディングシリーズ”としておおよそ年代順に並べて発表されている。その他の作品はこれらの作品の間に配置されている。それゆえ、本書は近年4年間で制作された代表作であるばかりか、huber.huberのアーティスティックな方法論に啓蒙的印象を与えている。個々の作品の写真を掲載し、ミニチュア形式で再度掲載されているので見やすく、また元の作品をわかりやすくし、huber.huberのそれぞれの作品を混同する事なく独立した作品群として表示し、年代によって明確にならべられている。

huber.huberが注目を集めているのはコラージュやドローイングの作品だけではなく、彫刻的作品やインスタレーションなどへも感心を寄せられている。彼らの作品は、文明社会と自然との両面価値的な関係を扱いながら、それと同時に社会的課題や、望み・恐れ・信念・失敗といった人間の中にある核的命題にまで及ぶ。
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