この書籍、「ほぼ満たされた記憶：現代美術の収集と理解」はスイスのゾロトゥルンの美術館で行われた展覧会に合わせて出版された。 ２つの展覧会は、これまでの文化的な歴史上、さらには今日においても継承されている現代美術の作品を所有する、そして理解する事という現象は、インターネット上の仮想的なアーカイブの急増にも大きく関連している。多くのアーティストたちは自分の作品のために、ほとんどの場合は主観的で非組織的なアーカイブを使っている。既存のアーカイブに対する懐疑と根本的な絶望は、「世界は組織化できる」という見方にたいするアーティストたちのアプローチの結果だ。間違いだらけの主観的な選択過程、そして皮肉にも非合理的なデザインは、情報の洪水にたいする洞察的な反応として見て取れるが、世界を最適化／組織化するという各々の理論は結果的に非公共的な代替案を増やしただけとなった。
摩擦によって生み出されるこの分野において、本書は13の寄稿をまとめた。歴史的な物の写真を使った整理やテーマに沿って世界をまとめる事などを通して、この本はこれまでになかったアーティストの立場を提案する。
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