この本は、ドローイングが多くの人に良く知られるバーゼルのアーティストCécile Hummelによる新しいアプローチのモノグラフ。アーティストとしての道を歩み始めた当初より、彼女は写真も撮っており、その写真はドローイングの伴奏となり、また独立した作品の一部も担っていた。
2005年のイタリアへの旅の際に、彼女はいわゆるイタリア的なイメージに溢れた旅行スナップを撮影した。しかし”Contrabunctum”のためにまとめた写真は、意識的に反対の立場、もしくは有名な観光地で良くある普通の視点と反対の見方を描き出した。彼女の写真において、関心は生活と環境にあって、個人的で主観的なものに焦点が置かれており、良くある観光知的な視点では撮影されていない。これらの写真は事実としては観光地で撮影された写真でもありながら、同時に既存の写真をなぞったものでもある。これらのイメージは、手を加えらずに再現されたものではなく、取り扱われたり焦点を当てられることでむしろ断片化され、それによって新しい視点や背景の変化が結果的にもたらされている。
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