Margaret Bouke-Whiteは不屈の精神や精力でもって写真に従事し、形式的な輝きと鋭敏な描写力を培った。このシリーズは、自然の力と人工、また我々の限界と我々が創りだした壮大な装置を否定することとの間にある象徴的な抗争を彼女が精密に記録することで、見るものにくつろぎを感じさせてくれる。当時わずか創刊6ヶ月あまりであった1937年3月22日発行のLIFE誌に、「Parachutes」というタイトルのカバーストーリーが掲載された。彼女の写真は、ニューヨークのバッファローに拠点を置く、パラシュート製造に置ける世界最大の企業・Irving Air Chute Company社の出来事についてのものだった。この本に収録されているIrving社の社員によるパラシュートのテスト風景にまつわる一連の写真は、1937年の記事にはならなかったが、その代わりに緻密なビンテージプリントとして残された。写真のあいまいさ、説明と背景のなさ、この紐を引っ張っている人物が誰なのか、こういったポイントにこの作品群の面白みがある。
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