ジェノヴァで開催された、スイスで最も著名な作家アルベルト・ジャコメッティのガゴシアンでの初個展はこの上なくすばらしいものとなった。本展の作品の精選は、財団責任者でありジャコメッティ研究者のヴェロニク・ウィシガーが手がけた。
本書は、ジャコメッティの生まれ育った故郷であるスタンパ（イタリア国境沿いブレーガグリアの谷間に位置する）で作られた作品を収録。美しい山の景色として知られるスタンパとその周辺地域はジャコメッティに影響を与え続けてきた。彼が初めて作家としての一歩を踏み出し、画家であった父親のジョヴァンニ・ジャコメッティに指導を受け、両親をモデルにポートレートを描き始めた場所だった。彼はしばしばその土地の地形には擬人化的な強い価値があると説明しているが、これは彼の彫刻にも反映され、丸みを帯びた頭や身体は細長い木のようだ。その後、スタンパは彼の忙しいパリでの生活に安らぎと孤立を与え、度々故郷へ帰っては作品への思惑や決断を下していった。
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