夜の通りや夢のなかの薄暗く照らされた部屋を通じた孤独な旅を追い求める写真家、ジェイソン・ランガーの20年にわたるキャリアを表すのにぴったりなタイトルの本書は、彼の作品を概説する初めてのものである。未発表作品や、シュルレアリスム的な実験要素、構図の研究、ベルリンの街に関するめずらしい調査などが収録されている。彼の写真としての言語は映画的、詩的であり、またロマンティックでありながら不安にさせるものである。彼の作品は現代の都市での暮らしを表現する漆黒の写真がよく知られているが、それだけではなく、ヌード写真や無機物を今にも動き出しそうな雰囲気で撮影した作品もある。被写体がなにであれ、彼が慎重に作り出したイメージは、豊かで、暗いトーンで、年代物の雰囲気を醸し出し、ミステリアスなものを感じさせる。
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