エットレ・ソットサスの主導のもと結成されたデザイナー集団・メンフィスに参加したデザイナー・倉俣史郎のモノグラフ。インテリア・プロダクト・家具・空間と多岐にわたるデザインを手がけてきた倉俣は、イッセイミヤケの店舗内装デザインをはじめ、横尾忠則・宇野亜喜良といったクリエイターとの協働により活動を展開していった。卓越した創作力と終わりなき発明のセンスとを最大限に発揮した独創性の高い作品からは、日本ならではの美意識を感じる。厳選した素材の質感や洗練されたフォルムによって、近未来的ないでたちをしながら、侘び寂びの感覚をも彷彿させる。彼の作品を想起させるようなデザインのスリーブケースに収められた2冊組のモノグラフは、生前手がけた600点を超える全作品を網羅し、図版とリストが収録されている。包括的な作品集でありながら、カタログレゾネの機能も兼ね備える素晴らしいアーカイブとなっている。
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